万能な小豆のお話【前編】

今回は、日本人なら誰でも知っている小豆の多彩な魅力をご紹介しましょう。

●小豆の赤は魔除けの色

「小正月」は、お正月の最後の行事。元旦または、一日から七日が「大(おお)正月」「男正月」と呼ばれるのに対し、「女正月」「骨正月」とも呼ばれます。この日は一年の健康を願って、米と小豆を炊きこんだ小豆粥をいただきます。
その理由は、小豆の赤い色。古来、中国や日本など東アジアの国では、「赤」は太陽や火、血といった生命を象徴する色であり、邪気を祓う(はらう)霊力を持つと考えられていました。そして、こうした食材を食べることで、その力を内に取り込もうとしたのです。

●小豆の栄養

栄養学的に言えば、小豆には必須アミノ酸がバランスよく含まれていて、ミネラルやビタミンB群が豊富。食物繊維の量はゴボウの3倍、鉄分はホウレン草の2.7倍、活性酸素を消去するポリフェノールは赤ワインの1.5~2倍とずば抜けて多く、小さな粒の中に、人間、特に現代人に必要な機能成分がぎっしりと詰まっているのです。

●名は体をあらわす

漢字の小豆(しょうず)は大豆と比べた言葉で、和名は「あずき」。名前の由来には諸説ありますが、江戸時代の学者、貝原益軒は、その著書『大和本草』の中で、「”あ”は赤色、”つき”または”ずき”には”溶ける”の意味があり、赤くて早く柔らかくなることから”あずき”になった」と記しています。
赤飯に小豆ではなくササゲを使う地域があるのも、その名前と同じ理由から。小豆は煮たときに皮が切れやすいため、「腹切れする豆は切腹に通じる」と江戸の武士たちが敬遠したとかで、今も関東地方が赤飯にササゲを使うのは、その名残だといわれます。

●小豆の活用法

小豆の効用は、「食」以外でも言われています。たとえば、小豆をメッシュの袋に詰めた「小豆枕」。寝る前に冷蔵庫や冷凍庫で1時間ほど冷やすと、中の小豆がほどよい保冷剤となって、頭の熱を奪ってくれます。
逆に体を温める道具として注目されているのは、小豆を綿や麻のタオルに入れて縫い込んだ「小豆カイロ」。小豆には通常15パーセント程度の水分が含まれていて、これを電子レンジで加熱することによって出てくるわずかな水蒸気を利用するものです。水蒸気の温熱は体の深部にまでじんわり届き、すぐれたカイロ効果を発揮。使用後は、しばらく放置しておくと空気中の湿気をまた吸収するので、繰り返して使えます。小豆の小さな粒には、驚くほどのパワーが秘められています。

これから雨の日が多くなるこの時期、小豆のパワーを味方につけて体も気持ちも温めませんか。

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