万能な小豆のお話【後編】

前編では、小豆の詳細や活用法をお伝えしました。後編では、皆さんが一番小豆と聞いたらイメージしやすい、“食”に関してお話ししたいと思います。

お祝い事などのおめでたい行事や甘味として日常的に古くから愛されている小豆ですが、調理に手間がかかる印象があるためか、現代ではご自宅で調理する方は少ないのではないでしょうか。そんな方々は、ぜひこの記事を読んで小豆の調理にチャレンジしてみてください。

●意外と簡単な煮小豆

「豆を煮る」というと、とても手間のかかるイメージですが、こと小豆に関して言えば意外に簡単。他の豆のように一晩水に浸しておく必要もないのです。
それだけではありません。小豆を煮るときは普通、渋みを抜くために、沸騰した時点で一度煮汁を捨てる「渋切り」を行いますが、その工程も省けるのだとか。渋味の原因であるタンニンは、実はポリフェノールの仲間。おいしく食べるためとはいえ、渋切りで6割以上のポリフェノールが捨てられるのは、もったいない。そこで、「あずき博士」の異名をもつ農学博士、加藤淳さんが見出した解決策は、小豆を煮る前に、「乾煎り(からいり)」することでした。渋みの原因のタンニンは、舌にある「味蕾」に触れることで「渋い」と感じますが、180度ほどの熱を加えると分子同士がくっついて大きくなり、味蕾に触れなくなって渋みを感じなくなるといいます。

●小豆の中に閉じ込める

その後、鍋に移し水を加えて30分ほど煮ますが、ここでのポイントは、加える「水の量」。小豆は自分の重さの2.2倍の水を吸うので、2倍量の水で煮れば、煮汁に溶け出すポリフェノールなどの有効成分を、余すことなく小豆の中に閉じ込められるというわけです。最初に乾煎りすることで渋みを抑えるとともに、調理時間を短縮できるので、普通なら1時間以上かかる煮小豆が30分程度で完成。煮汁がほとんどないので、サラダのトッピングにしたり、ヨーグルトに加えたり、スープやオムレツ、グラタン、かき揚げなどの具にしたりと、さまざまな料理に使えます。

●小豆でダイエット?

小豆の主要な栄養素は炭水化物で、そのほとんどがデンプンです。糖質カットダイエットが言われる昨今、肩身が狭い気がしないでもありません。
ところが、小豆に含まれるデンプンは茹でることによってレジスタントスターチと呼ばれる難消化性のデンプンに変化。人の消化酵素では消化されにくい食物繊維に変化するといいます。つまり、煮小豆のデンプンはカロリーとして換算されないということ。なんだか、うれしい話だと思いませんか?

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