お弁当を楽しむ

主食、メインディッシュ、副菜、ときにはデザートまで──食卓上に並ぶものを、弁当箱という小さな空間の中にコンパクトに収めたお弁当は、日本の食文化の縮図とも言われます。最近は、お昼をコンビニでという方も多い時代ですが、みなさんは普段、どんなお弁当を食べていますか?

●お米とお弁当

調理済みの食べものを携帯する習慣は世界各地にありますが、日本の「弁当」は他の諸国に見られないほどの発展を遂げたといわれています。そこに大きく関わっているのは、日本のお米。日本で一般的に食べられているお米は水分を多く含むジャポニカ米といわれる品種ですが、インディカ米などと比べて、柔らかく炊き上がり、冷めても味が落ちにくいのが特長です。ご飯を塩で握っただけの「おむすび」がお弁当として成り立つのも、おいしいお米があればこそ。また、淡白なご飯は、出汁・醤油・味噌など旨み成分の多い調味料で味付けした副菜や漬け物などとも相性がよく、「冷えたご飯とおかずを食べる」という独自の食文化が形成されたといわれています。

●弁当箱も味のうち

さらに先人たちは、目的に応じた意匠の弁当箱を生み出し、それを料理の一部と見立てて場面ごとに使い分けて楽しむことで、お弁当を食文化にまで昇華させてきました。腰に巻き付けて持ち歩くために身体のラインに沿わせた三日月形の「腰弁当」や曲げ物の「輪っぱ弁当」、おかずとご飯を二段にして詰め食べ終わったらコンパクトに収納できる「入れ子弁当」、行楽用の「塗りのお重」や引き出し付きの「提げ重箱(さげじゅうばこ)」など。

●お弁当を楽しむ

自分でお弁当を作る「弁当男子」という言葉が流行語大賞にノミネートされたのは、2009年でしたね。これは、食と健康が直結していることに多くの人が気づいてきた証とも言えるでしょう。最近は、SNSなどで映え写真が流行っていますが、その中に多彩なお弁当をよく見かけます。忙しい中で時間をやりくりしながら、それでも日々のお弁当作りを楽しんでいる人々の様子がうかがえ、キャラクターの顔を描いた「キャラ弁」やきれいに飾った「デコ弁」の人気も、食べる人の喜ぶ顔を思い浮かべながら、作る人も楽しんでいるということがミソなのでしょう。おいしくて経済的で身体にいい、というだけでなく、作る人にとってお弁当は自分を表現するツールにもなっているのかもしれません。

お弁当は、作る人と食べる人の心をつなぐツールとも言えますよね。それだけに、お弁当が何かの思い出とつながる方も多いのではないでしょうか。

ぜひお弁当を“作る”のも“食べる”のも楽しめる人が増えてほしいです。

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