カレーの勧め【後編】

●カレーの発症

多くの日本人は長らく、「カレーは西洋料理」と信じていた。誕生の地はインドなのに…である。そもそも、インドで各種のスパイスを混ぜて家庭ごとに作られていた料理だが、インドを植民地にしたイギリスが本国に伝え、老舗食品メーカー「C&B」が「カレーパウダー」を開発して売り出したことで、イギリス・スタイルのカレーが定着する。日本には、明治の初め、そのイギリスから「カレー粉」として入ってきた。だから「洋食」だ。

アラジンの魔法のランプのような銀色の容器にカレーを入れてテーブルに…なんぞというシステムも、イギリスを経由していればこそ…である(あの容器、「グレイビーボート」などというのが正式なお名前であるらしい。「グレイビー」は「肉汁」のことで、そもそもソース容器として利用されていた。もちろん、インドでは使われていなかった)。
最近は、インド料理店も増えたうえに、本来のつくり方に則った「スパイスカレー」のブームもやってきている。まさに原点回帰…である。というわけで、あれを「洋食」と認識しているか、「インド料理」と認識しているか…で、これまた世代の差を知ることになる。

●カレーは健康にいい

こうして日本に定着したカレーですが、カレーにはたくさんのスパイスが入っています。スパイスにはそれぞれの効能があることが知られていて、主なところは、次のようなものです。

・ターメリック(鬱金 うこん)…鎮痛、二日酔いなど

・コリアンダー(胡子 こずいし)…胃の薬、かゆみ止めなど

・クローブ(丁字 ちょうじ)…消化機能促進、消炎など

・シナモン(桂枝 けいし)、肉桂(にっけい)…胃の薬、風邪など

・レッドペッパー(蜀椒 しょくしょう)…咳止めなど

・フェンネル(茴香 ういきょう)…去痰、胃の薬など

・カルダモン(縮砂 しゅくさ)…胃の薬など

・クミン(馬芹 うまぜり)…胃の薬など

・ナツメグ(肉豆蒄 にくずく)…胃の薬、下痢止めなど

カレーは、暑い国・インドで生まれた食べものです。カレーの辛さは、汗を排出し、新陳代謝を促し、食欲を増進させてくれるので、蒸し暑いこの時季、そして夏本番のこれから、もっとカレーを楽しんではいかかでしょうか。

いまでは本格的なカレーのお店が増え、カレーを楽しむためのさまざまな食材も売られています。それぞれの家庭にも、「わが家のカレー」がありますよね。入口が入りやすく奥の深いカレーは、「男の料理」としても楽しめそうですね。

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